法律文献の記録

司法修習や,憲法学の研究で読んだ文献の備忘録として

刑裁修習1

まずは,責任能力で読んだものを

 

・高橋省吾「判解」『最高裁判所判例解説刑事篇(昭和59年度)』

 最判昭和59.7.3刑集38巻8号2783頁の判例解説

 精神分裂病(現:統合失調症)に罹患していた者の責任能力に関する重要な先例

 

・前田巌「判解」『最高裁判所判例解説刑事篇(平成20年度)』

 最判平成20.4.25刑集62巻5号1559頁の判例解説

 

・任介辰哉「判解」『最高裁判所判例解説刑事篇(平成21年度)』

 最判平成21.12.8刑集63巻11号2829頁の判例解説

 裁判員裁判が始まる頃に,責任能力の判断方法を示した2判例

 

岡田幸之「責任能力判断の構造と着眼点ー8ステップと7つの着眼点ー」精神神経学雑誌115巻10号1064頁

 刑事責任能力分野で,リードする精神科医による論文。

 

・樋口亮介「責任能力の理論的基礎と判断基準」論究ジュリスト19号192頁

・樋口亮介「責任非難の意義」法律時報90巻1号6頁

・小池信太郎「妄想と責任非難」法律時報90巻1号21頁

 

責任能力の判断は,法律家と精神科医の役割分担によって行うべきであるが,相互理解が求められるなど難しい。また,裁判員裁判対象事件で争われた場合,裁判員にも理解してもらう必要があるため,その考慮も必要であろう。

 

 

次に,裁判員裁判を傍聴して,裁判員裁判の合憲性を改めて考えてみて

 

・西野吾一「判解」『最高裁判所判例解説刑事篇(平成23年度)』

 最判平成23.11.16刑集65巻8号1285頁

 

・西野吾一「判解」『最高裁判所判例解説刑事篇(平成24年度)』

 最判平成24.1.13刑集66巻1号1頁

 

・宍戸常寿「司法制度改革の中の裁判官」駒村圭吾編『テクストとしての判決』(有斐閣,2016)

 

これまで,裁判員裁判についてあまり考えてこなかったが,適正手続の関係等,刑事手続も,憲法学者はしっかり勉強しておく必要があるように感じている。今後の課題である。